第10期
ケアマネジャーになる人が減っている。理由はいろいろあると思うが、数が減っている、採用しにくくなってることは、皆さんも肌感覚で同じ意見ではないだろうか。推測ではあるが理由の一つとして介護職員処遇改善加算の創設により、ケアマネジャーの年収を介護職員の年収が超えたことが考えられる。処遇改善加算が創設される前も、残業手当や夜勤手当等を含めると介護職員の方が年収が高いケースもあったと思うが、基準内給与(処遇改善加算を基準内給与とした場合)ではケアマネジャーの方が高かった。全国の介護職で作る労働組合「UAゼンセン日本介護クラフトユニオン」が公表した賃金実態調査の結果では「差が縮まってきた」といった表現だっと思うが、私の実感では逆転していると思う。
居宅介護支援事業所の収支はどうなんだろうか。これまでの実態調査では多くの居宅が赤字だった。特に小規模事業者の赤字は顕著だったと思われる。黒字にする手段はやはり特定事業所加算を取ることだろう。ただし特定事業所加算Ⅰのハードルはとても高く、体制要件を見る限りではある程度の規模がなければ要件をクリアすることは難しい。昨年12月20日にまとめられた介護保険部会の「介護保険の見直しに関する意見」の中でも、経営の大規模化が記載されており、お国は大規模=安定経営というところを見ているのだろう。
また、その「介護保険の見直しに関する意見」の中に、これまでも常に議論されてきた「10割給付」つまり利用者負担なしについても記載されている。その内容は賛否の意見を記載しつつ「第10期計画期間の開始までの間に結論を出すことが適当である」となっている。つまり2024年度から第9期が始まり2026年3月に9期が終わることになるので、それまでに結論を出すよと宣言している。誰に?たぶん財務省じゃないかな。
これからのケアマネジャー、居宅介護支援事業所の経営は、ケアマネジャーの確保と経営の安定化のためには大規模化と利用者負担という課題をクリアしていくことが必要だろう。2027年度から利用者負担が始まると仮定すると、残された時間はあと4年。
この2022年12月20日のまとめられた意見の中には、第9期ではなく第10期に向けてどのような準備をしていかなければならないかについてのヒントが多く書かれてるように思う。他の介護サービスについても考えてみたいと思う。