新しい複合型サービス
令和4年12月20日に介護保険部会で発表された「介護保険制度の見直しに関する意見」の中の「生活を支える介護サービス等の基盤の整備」にこう書かれている。
「単身・独居や高齢者のみの世帯の増加….を踏まえ、柔軟なサービス提供による….既存資源等を活用した複合的な在宅サービスの整備を進めていくことが重要である。その際….複数の在宅サービス(訪問や通所系サービスなど)を組み合わせて提供する複合型サービスの類型などを設けることも検討することが適切である」
これは間違いなく訪問介護や通所介護を組み合わせて行う新しい複合型サービスの誕生を意味していると思われる。この新しい複合型の誕生はコロナ禍で発生したデイサービスに通えない利用者に対するデイサービスによる訪問サービスの特例での提供というところも背景にありそうだ。また地域によっては訪問介護事業所の閉鎖が多く社会資源の不足が予測される中、通所事業と訪問事業を組み合わせることでこれ以上の小規模事業者の廃業を防ぐことも狙っているように感じる。
2027年には要介護1.2の利用者は総合事業へ移行することになりそうであり、これによる訪問介護、通所介護事業所への経済的影響は計り知れない。特に通所介護の利用者は要介護1.2の方の割合が多く、この利用者が単価が下がるであろう総合事業へ移行することを考えると、その収益減は経営の継続に黄色信号どころか赤信号を灯すことになりかねない。
そういった訪問介護、通所介護事業者の生き残る道の一つとして、この新しい複合型サービスへの転換が考えられる。概要すら全く分からない状況ではあるが、新しい複合型サービスの動向から目が離せない。